べしゃり暮らし

森田まさのり氏の漫画には活力がある。
私は青春をテーマとした創作物に手を出すと、決まって(自分と対比させることにより)異様な嫉妬や憎悪が浮かび上がる傾向があるが(悲しい性癖であろう)、森田氏の作品に関してはそんな傾向は無くなる。「ろくでなしBLUES」、「ROOKIES」にしてもこの「べしゃり暮らし」にしても気概に富んだ登場人物が、ただ強いとか格好いいとか間抜けだとかいうモノトーンな性格でなく、繊細であり、奥深い。それでいて活力を貰える漫画ってのは凄い。
上妻が頻繁に煙草を吸ってるシーンが象徴するように現代の高校生が登場人物だとしても森田氏の作風の昔の高校生チックなのが有難い。