秋葉について

哀しい事件だと思う。自分にも自棄になるようなことがあるか考えてみた。
制服姿のカップル、若者の群れ、幸福そうな人間を見るとふと自分はなぜこうなのだという、神経をとがらせる気持ち。この気持ちはいつでも自分の中に居座っている。これがエスカレートすれば破滅させたくなってしまうわけだろうけど、それでも自分には人を殺したいという気持ちは結局出ないままで、それはなぜかというと人を殺せば、その殺された人間はかえって幸せになってしまうのではないかという捻くれた考え方をもっており、人を直接攻撃しても実に味気ないと思っているわけで結局、今に至っている。
狂人。けちくさい顔。憂鬱と屈辱と孤独を発散してさぞ嬉しかっただろう。だけどもまたこれからみじめな生活をする。また、みじめな人間になってしまった人間。「手を抜いてごまかして幸福な生活を目指している人間に対する憎悪、おまえたちは私の苦悩について少しでも考えてみてくれたことがあるか」。昨今の世の中はこういった復讐心が渦巻いているように思われる。
無差別殺人事件が起こると結局世の中は運が最大の要素だと確認させられる。哀しい生い立ちを過ごさない運、哀しい事件に巻き込まれない運。努力よりも運。運には何もかなわない。