タイツ

タイツとは実に隠微な物品である。
もとは憮然とした、下手をすれば滑稽な布地であるが、使用者によって伸びやかされ、透け切ったその布地はもはや芸術である。
脚を囲った布地が街灯に照らされ、闇にぽっかり浮き上がる。一歩ごとに輝きを増し、冬の夜空に解き放れた輝く布地は「神秘」の一語。
目には見えない、しかしながら、明らかに存在する生脚を追いつつ、また夜は更ける。