生半可

狭い不潔な二人暮しの社宅に戻るまであと数時間。自慰ができないし、二畳くらいのスペースで本を読むとか全くの阿呆な感じのスタンスで暮らす一週間がまた始まります。自分は他者と言い争いができないという脳をしており、「テレビをつけるか」「風呂に入るか」「寝るか」などというあの無言の、無数の、駆け引きに酷く疲れます。
休日はこれといって次の段階への処置も取らず、あっさり過ぎていこうとしています。友人、恋人、できません。無意識に薄気味悪い生活をしたくなります。怪奇現象、悪党、喝采などという適当なイメージが頭を包みます。時間だけが規則正しく過ぎて行きます。歴史の狭間で生きる目標がないのです。