ろまん下着

今日は製品の発表会だった。といっても新人の俺は交通誘導係。熱中症になりかけた。


くたくたに疲れて夕方、女の人から下着を買った。名前も知らないこの人から買うのは五回目だ。メールでは嬉々としてたのに実際の会話は弾まない。サバサバしている。グラサンしてるし。この人、結構いろんな掲示板に書いてる女性だ。どういう心理で売ってるのだろうか。手っ取り早く金を稼ぐためか。肉体感覚を売るわけじゃないが、不特定多数の男を相手に下着を売るってのが自分にはとても不潔に感じる。男とは、自分とは、不潔なんだ。
お金を受け取るとその人は「脱ぎますよ」といい、脱ぐ。脱いで渡すこの間が耐えられない。思わず「可愛いですね」と小市民のセリフを言ってしまった。女性は微笑していたが、言った本人が白々しい気持ちになってしまった。「ありがとうございます」。使用した下着を受け取って礼を言うだなんて義務教育では習わない。2枚で10Kだった。変に気恥ずかしくその場を去る。
弱さ、歪さが浮き上がり、ロマンチックとは程遠い人物になっていることを狼狽する。自分がいやらしくてかなわない。