バイトの飲み会

「暗い おとなしい 元気がない 声が小さい」。小生の素の状態ってのは客観的にこんなもんだと思う。でもこんな状態で世間に出ると誰も相手にしない。だから少しでも人が寄ってくるように自分なりに道化している。どうしようもない道化だが。
小生はただの暗い奴を演じるのは嫌なので変わり者に道化している。といっても本当の異常者や白痴レベルまでは下がらない。あくまで変わり者という程度への道化である。
今日は飲み会であった。人に関心を持つことは一切ない小生であるが、こういう場所では人と喋らざるをえないので会話する。会話していても意味不明な回答などをしては異常者になるだけなので少し常人らしくない程度の回答を返すことにしている。場が静まらずにおかしな笑いが起きる程度の回答を自分なりに考えて発言している。インパクトの強いことを喋って存在感を出せたな、と思ったらずっと黙る。それの繰り返しである。ぎりぎり存在が皆無にならない程度に印象を残している。それによって変人のレッテルを貼られているかもしれないが存在感がゼロよりはマシだと自分の潜在意識では感じている。
しかし、内心は酷い不安に侵されている。心の内にはいつだって素の自分がいるのだ。
飲み会が軟派な場であっても私にとっては緊張・不安の連続の地獄にすぎない。
道化できてなかった場面がある。それは誰それが彼女の写真を見せてきたときだ。小生の写真への興味関心は薄く、なぜ小生は惨めにも独り者なのであろうかと悲しい自問自答をするだけであり、眉間にしわを寄せて発狂したような目で写真を見るという哀しいリアクションを取るくらいのことしかできなかった。道化してようがしてまいが人と和気藹々とするのがどうにも苦手である。
飲み会の帰りに家とは逆の無茶苦茶な進行方向で帰った。皆それをみて心配していた。酒を飲んでわけの分からない道を歩いている人を見れば誰だって心配するだろう。だけど小生は普通に帰ることができない。普通というものが異常よりも嫌いなのだ。普通では何の印象も残せない。人に印象を残したいという潜在意識。哀しすぎる意識。