NOMIKAIその2

夕暮れどき、家を出た。外は雨が降っていたので傘を差し、歩いていった。もちろん飲み会なので車では行かない。
足は濡れ、靴下は気持ち悪く湿った。まず、郵便局で金を下ろす。集合時間まで一時間もあったので図書館に行った。しかし、閉館日だったので入れず、あてもなく散歩することにした。TSUTAYAに入るが、暖房の作る空気が気持ち悪くすぐ出た。次に本屋で色情本を立ち読みして時間を潰した。実に下流人間らしい暇の潰し方である。自律神経が悪いのか立ち読みしているとバランス感覚が狂った。多方面で狂った人生である。
目的の居酒屋に入るとうちの店長が一人だけで座っていた。(以後その店長をマウンターと記す)。
他の人が来るまでサシでマウンターと話すことに…。なんか気まずい。マウンターは自分が今までやった仕事の話ばかりしてきて、俺がフリーターであることに警鐘を鳴らしてきた。「フリーターなのに稼がなすぎ」とか「いつも何してるの↓」とか。マウンターから見ても十分俺は落伍者らしい。当然とはいえ、俺はそんな風に言われて未来への焦りが濃くなり、数少ない自尊心が砕け散った。