気まずくてしょうがない

ゼミ。講師が「NEWS ZERO」の司会者のような方で非常に易しい内容の勉強をしているので文句がない。まあしかし、たまに班分けをしてグループディスカッションのようなものをする。今日のメンバーは実に奇妙だった。
まず、誰も何も発さない。毎回、司会進行する程度の人間が存在していたのだが今回は集まってみたものの自分も含めて誰も何も発さない。
大学では麻疹が大流行しなかったとか、出席のときにカードだけかざして帰るのは日常茶飯事だとか、90分授業が長すぎて幽体離脱しそうになった話、「愛なんていらねえよ、夏」を見て渡部が大好きになったけどRIKAKOを「ここが変だよ日本人」で見る度に喉が乾いてくるって話とかしたいのに、誰一人として何も発しない。これはもう「触らぬ神に祟りなし」ということでこのまま無言でいようかと思ったけどもう21歳なのにこんな無言の行では先が思いやられる、心理学的に言っても対人認知がまったく進まないのは幼児並みの脳と言わざるを得ない。「愛なんていらねえよ、夏」のゴルゴ松本は一言も発してなかったが、俺はゴルゴではないのだ。しゃべらなければならない。
しかたなく話し始める。「えーでは私から…」
とりあえず問題を提起して自分なりの答えを出した。見切り発車とはいえまあまあよく頑張った。ほかの三人が沈黙している中、俺が開拓したこの空気。すばらしい功績ではないか。しかし、授業が終わると皆、一目散に外へ出て行ってしまう。この雰囲気、なんとドライなことでしょう。私に友人はできなさそうです。