ツナギ

ツナギというのは上半身と下半身の部分が繋がっている作業着のことだ。隙間をなくし、より安全に作業をするためのもの。
俺は普段ツナギを着ている。作業が不慣れなので見事に泥やらオイルやら煤が付いて汚れていく。汚れをできるだけ落としてツナギを着てたまに外で飯を食うこともある。そうすると何ともいえん気分になる。
あの頃、ラーメン屋でバイトをしてた頃、きったねえ作業着で来る客のおっさんを蔑視していた、正直。店に土やら釘が落とされていくこともあって、ひでえもんだなと思っていた。
今、たかが一月だが、泥だらけになってみて、毎日毎日生きるってのはやはりというか当然というか大変だと感じた。何をやっても何を思っても後悔をするそんな日々だ。浮かぶ気持ちはあのときの作業着のおっさんたちを蔑視して後悔、すまなかったという気持ちである。
それにしても俺の心は隙間だらけだ。雑念があっさり進入する。蔑視されても耐えれるくらいのツナギ(気持ち)が欲しい。 うまくねえな。