道化落第

「疲れているようだね」、「まだ辞めんな」などといかにも苦しい顔をしている私の顔を見て人々は声を掛ける。ああそうだ、怠けたいから怠けた顔、苦しいから苦しい顔、虚しいから虚しい顔をするのは偽善だ。24時間テレビで涙を流しながら募金を募ることと同じだ。他人に理解して欲しいから苦々しい顔をする。人間を信じてしまっているではないか。信じきってしまっているではないか。
虚しいときでも苦しいときでも目を平成20年製造の百円玉のように輝かせながら顔を保たなければならない。苦しさや虚しさを訴える相手は死んだ爺様、婆様、日記、壁くらいで十分ではないか。生きているものに訴えてはならない。生きているものに訴えてしまっては鈍感になってしまう。