休日

朝起きた瞬間からムワっと暑い。
路線バス。眼前に七十過ぎくらいの爺さんがいた。帽子を被って焼けた肌をしている。その爺さんは女性乗客を首を忙しく動かしながら露骨に凝視している。バス停にて女性が乗ってくる度に凝視している。五十過ぎくらいの女性をも凝視している。さすがにしわしわのお婆ちゃんには視線を注いでないように見えた(そんな爺さんを俺が凝視しているわけだが)。
嗚呼、男はいやだ。あれが自分の将来かもしれないと思うとゾッとする。ジジイになる権利があるというのはどういうことなのだろうか、考えさせられる。
駅でバスを降りたら○塚美容形成外科に行く。綺麗な人が受付している。二十代後半くらいの、とても綺麗な人だ。こんな綺麗な人が食事をしたり恋愛をしたりしていることを想像するととても惨めな気持ちになる。いけない、余計なことは考えないように。
カウンセリングをする。外科医のおっさんはタラちゃんみたいな髪型だが熱心に説明してくれた。次にまたさっきの綺麗な女性が熱心に教えてくる。女性、時折近畿系の方言でため口になってきている。目の前で女性が話している。唇、鼻、歯、目、頬、睫、眉、眉間、さすがに形成外科の人は綺麗だ。
いくつかのプランを聞いたが、あまりいいのが無かった。さっと出る。
駅。薄着の女性が増えた。ホットパンツ、ミニスカート、キャミソール、娼婦のようなセックスアピール装飾。どうしようもない季節がまたやってきてしまったのである。帰りのバスにて、5歳のときから見慣れた風景を見てのんきな気分になる。前に座った人は派手な髪飾り、スチュワーデスさんか。きっとこの人は休日を堪能しようとしているのだろう。次に前に座ってきた女性はボブヘア。いい髪形だと思うが、どうでもいいとも思う。毛根の染まってない部分を凝視する。色が白くて細い腕。降り際、運転手に中学生もオバハンも誰も礼を言わずに降りる様を見て、「ありがとうございます!」と天邪鬼的に言う。
どうも乗り物や密室はよろしくない。ムラムラする。
変態的な気分になったので、(同じく変態で)大学の後輩のツギオに連絡する。これからツギオのとこに行く。