半狂乱

出社してものの数十秒で五郎丸に怒鳴り散らされる。機械操作のことでだ。そして所長に話を聞いてなかったことを怒鳴り散らされる。不器用、集中力欠如、無能、そして無能。毎日毎日失望しているが、上司も失望しているようだ。あまりの出来損ない過ぎて教え難いんだろう。話しにならないレベルなんだろう。
新入社員とは迷惑を掛けるもの。いや、違う違う。同期と比べると分かってしまうんだ。俺は圧倒的に劣っている。野球をやろうってのにキャッチボールの時点で躓いている状態。
同期のカルロスは別部署に一日派遣された。今日だけではない。この前もカルロス、その前もカルロス。なぜ俺は指名されない?無能だからか。厄介者を派遣するわけにはいかないのか。「給料泥棒」とも言われている。ざまーみろ。無能でも金は受け取れる。しかし要らない人間と目されている現実からは逃げれない!
無力、無力、無力
ズッと憂鬱。職場で俺一人浮いてるんだ。現実逃避に人の道を外れた妄想、滞る作業。なんでこんな作業をしなければならないのか、こんなのが毎日続くのか、頭が不平を訴える。そして、熱を盛られた。悪寒がする。咳、くしゃみ、喉の痛み。朝っぱらから散らされた影響か。泥土に嵌っている様な毎日。とことんダメだ。前に医者に貰った薬を飲もう。冴えない。
評価はゼロ、いやマイナスかもしれない。疎まれて、結局うじうじと毎日を続けて、不言のまま終わるのか。こんなもんじゃない。これでいいはずがない。だがどうしろと。
勉強をしていればこんなことには。いや、それどころか勉強もせずに遊び呆けた連中よりも性質が悪い。勉強もせず、遊びもせず、大人になってしまうとそれこそ何の芽も出ない。悲惨。人生を誤解をしていたのだ。真剣に考えてこなかった。何かを始めないとダメだ。このままじゃ大量消費社会の狂った独りの消費者として人生が終わる。あーチクショウ!職業なんか知るか!真人間なんか仕事から帰って踊って寝るだけのクズだ!!