ブログの書き方

この日、久しぶりにブログを書こうということになった。

450円のカレーを食べた。自炊をすれば50円、もっと高い外食なら700円。450円は高いか、安いか。


私は満足と不満について考えた。
家に住んでて毎食なにかしら食べているけど不満である。
パソコン見てテレビ見て不満である。
仕事あるけど不満である。
戦争がないけど不満である。


私は考えた。何事も不満と決め付ければ全てが不満になる。
満足する基準をうまく決めれば生きていける。そうするしかないのである。

一時はこの文章で投稿しようと思った。しかし、冒頭のカレーを食べたことが全く生かしきれずに文は終わっている。そもそも今日カレーを食べた記憶がほとんど無くなっている。筆者は本当にカレーを食べたのか?
よってこの文章はボツとなった。


私は考えた。昨今の人気ブログは顔文字と改行がやたらと多く、中身が薄っぺらいのである。これだ!と私は書くことにした

今日も寒いwwwwwwwwwww






暖冬じゃないじゃん(^ω^)(^ω^)

二行書いただけで哀しくなった。大失敗だ。そもそもこういった中身の薄い文章が通用するのは有名人だけである。無力な一般人がこんなかったるい文章ともいえないような腐乱したものを投稿しているようでは全くもってダメである。


冷静に考えてみる。ブログブログと言っているが、書店では官能小説の文庫が溢れている。駅前では未だに官能映画の単観上映が根強くなされている。だったら官能文章をブログで書いてしまえばいいのではないか。

ぴちゃぴちゃと味噌汁を啜る音が聞こえた。この味噌汁を啜る男はセックス好きの源太郎である。
源太郎はいつだってセックスのことを考えていた。
そして源太郎はいつだってトメ子のことを考えていた。
トメ子は源太郎の家の掃除婦である。
ある日、源太郎は「風呂に入ろう」とトメ子を誘った。
枯れ漱いだ髪を解いたトメ子の胸はふっくらとしており、源太郎は興奮を高めていた。「トメや。体を洗おう」

ダメだと思った。
そもそも私は童貞である。官能的なイメージなど浮かばないのである。
それと登場人物の名前が異様に古臭い。時代背景も何も考えず、適当に書き出してしまったばかりに序盤であっさり書けなくなってしまった。


もう一度冷静に考えてみた。ブログを読む人間というのは食い物を毎日食っているではないか。私は餃子の王将が好きだ。とどのつまり、餃子の王将のことをグルメ風に書けばいいのだ。

餃子の王将
評判のチェーン店だけあって、どの料理も美味であった。中でも私の印象に強く残ったのは、餃子、焼き飯、テンシンハンである。それぞれが強い個性を放っていた。餃子は肉汁がジューシーでボリュームがある。焼き飯は香ばしい。テンシンハンは甘酸っぱくて青春の味だ。もう一つ印象深いのはジューシーかつボリュームたっぷりの「鶏のから揚げ」。
しかし、店舗によってそれぞれ味が全然違うのである。

投稿しようと思ったが、最後の一行で台無しだ。どうしてグルメっぽい文章を書こうとしたら軽い感じになってしまうのか。どうして今更餃子の王将について書こうとしたのか。新鮮味も何もないのである。よってボツとなった。


結局、この日は何もブログを書けなかった。