「心に残った本」 

 太宰治の『人間失格』。
 妹娘のセッちゃん、アネサ、仙遊館の娘、女子高等師範の文科生の同志、女給のツネ子、雑誌社勤めのシゲ子、小さい煙草屋のヨシ子、薬局の奥さん、老女中のテツ。などとあらゆる女に囲まれ続けて廃人になるという話である。