サイボーグ部長

 他部署の部長さんに助けてもらった。故障した機械が一二〇キロ先にあることが分かったのが今日の夕方五時過ぎ。それだというのに明日の朝、我が部署担当の故障したまま動いている機械を片道一二〇キロ掛けて、停めに走ってくれるというのだ。もはや言葉も出ない。 
 このサイボーグ部長、単身赴任の方なのだが、休日でもいつも会社にやってきていて、全く会社にいない日というのが年間数日くらいしかないと述べている。さらに朝は早く来られていて私が始業40分ほど前に出社しても既に掃除を終えられて一服しているという兵。
 休日もやることがない、趣味も無いから会社に来てはトイレ掃除やら雑務をしているそうだ。結婚も子育ても終えて、もはや遊びも終えた中年の星である。私はその有難い存在に感謝したい。