10-16

(八、九割方、学会員かと思われる)Pさんと同シフトだったわけです。
朝、出勤時に制服に着替えた後、着替え室を出てからベルトするのを忘れていたことに気づいたわけです。着替え室はもう他の人が利用しており、仕方なく着替え室外でベルトをしようとしたらPさんがすぐ近くにいたので、逃げるようにベルトを片手にトイレに行ったわけです。
私は女性のいる目前で、衣類または、衣類に関する器具を装着するなどといった動作をするのは男子たるもののマナー違反なのではないかと思っていたわけで、(まあこの思考が童貞ゆえの思考であり、その思考を悟られ、私は童貞のレッテルを貼られたかと思われます)逃げるようにトイレに行ってベルトをしたわけです。
ベルトをし終えてすぐにトイレを出るとPさんが「なんで逃げるの?私だと恥ずかしいの(笑)」と尋ねてきました。近くにいた女店長もつられて笑ってました。私、ただ苦笑いでした。
この行動が付け入る隙を与えたということでしょうか。Pさん。「大学では女の人としゃべったりするの?」と。天使のような顔をしながら暗黒の質問を吹きかけてきたのです。
私はまるで森で狩人に追われる小動物。おどおどしながら
「えーっと、そのまあ喋ったりするんでしょう」と、か細い声でとっさの防御回答。
この男、故障でした。つまり嘘を付いたわけです。この男は大学で女子とはまだ一言たりとも会話をしていません。
案の定、「えー!!喋ったりしてるんだ」
この回答は如何なものでしょうか。つまり、私が女子と喋っていたとするとそれは実に意外だという感想なのでしょうが、つまり、そのなんというか私は完全に童貞というレッテルを貼られたのだと確信しました。究竟、私は童貞なのです。彼女も生まれてこの方いません。この事実を他者に偽り通すのは不可能。私は暗黒を見ました。

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