パソコンがぶっ壊れているので(電話でNECに問い合わせても40分くらい待たされた挙句に諦めている有様)、大学の騒がしいパソコンルーム(割と席が空いているのになぜか近くの席にリア充がやってくるのが腹立だしい、ころす)から更新。うるせえなあ馬鹿野郎。日記も更新頻度が低くなってきてる(携帯で更新すると疲れる)。
今日は講義をサボタージュして(一応、慎重に計算してサボったわけだが、ノートの貸し借りができる人間もいない程なので一日休むだけでもかなりの勇気を要する)、映画「大日本人」を観にいった。映画館で映画を観るのは約1年半ぶり。前に見たのは「キングコング」だったか。やけに長い映画だった気がする。今回の映画もところどころ「キングコング」並みの迫力はあった。
地方の平日の一回目の上映ということもあり、(早く観にいきたかったが土日に映画に行くと人間が多くて集中力を欠く傾向が在る故に客のきわめて少なそうな平日の午前の上映にいったわけである)。初めて行く映画館だったので要領が分からず挙動不審を繰り返し(強行的に館内に入場しようとして追い出されたなど)、余計なことに気が回ったことが良くなかった。客は20人くらいしかいなかった。爆笑しているのは結局、端っぱしで観てた女子だけ。細かい鼻笑いみたいのは自分もしたけど、映画館だと笑いたい箇所でもついつい我慢してしまう。こういう映画は客の数が少ない、少人数で観るとあんまり雰囲気が良くないと感じた。
映画が始まると基本的にインタビュー形式で長谷川(多分)が大佐藤を取材するという形で話が進んでいく。主人公の大佐藤はヒーローの割には庶民的な生活をしており、貧困とまでは言わないが慎ましい生活をしていると感じた。また、家でインタビューを受けている最中に投石されたりしており、世間から非難されている感じのヒーローである。大佐藤の喋り方は無理やり標準語を話そうとする関西のおっさんのような喋り。映画の序盤は日曜の午後二時ごろにやってそうな気だるいドキュメンタリーといった感じか。おっさんの日常を永延と見せられてる感じで、フランス人が序盤でさっさと席を立ったわけがわかるスロースタートだった。展開が遅いから忍耐力のないすぐに甘い物を口にしてしまうようなアメリカ人には全く向いてなさそうな映画。今時のオナニーしまくり、菓子食いまくりのストイック性に欠けた日本の若者にも向いてない気がする。
素人くさいおっさんが随所に出ており、働くおっさんシリーズでありがちだったおっさんが喋ってる途中にぶつ切りされてる編集があったり、大佐藤が「怪獣」のことを「獣(じゅう)」と呼ぶくだりとかこういう細かいところで楽しめた。
個人的に、松本人志が監督で題名が「大日本人」と聞いて最初にイメージ化されたのは「プロジェクトX」のような陰ながら地道に国を救っているヒーロー像だった。映画を観たら結構、そんな感じだった。「国を誇りに思っている最後の世代」っぽい松本が日本人のだめなとこ、いいとこを訴えている部分もあったかといえばあったのだろうか。
大佐藤の孤独な雰囲気が心地好かった。最初の路線バスからの件、コンビニ、うどん屋、ファミレス、居酒屋などでの虚しい感じ、なぜか中村雅俊の「ふれあい」(多分)に乗せて折りたたみ傘で帰るシーンがこれは普段賑やかに暮らしている人には分かりづらい切なさがあった。またヒーローとして変身しても孤立無援に苛まれている感じがぐっときたわけだ。
頑張っても認められない、先代があっけらかんとサプライズ的に事故死し、四代目がボケたため、負担がきつかったのに必死に伝統を守ろうとした様は伝統を簡単に壊す昨今の現代社会に警鐘を鳴らしていたのかもしれないが違うかもしれない。
赤い獣に歯が立たず、最後にアメリカっぽい人らに救われている様が妙に人間の弱い腹の部分を見せられている感じで人間らしいひたすら格好悪い感じが親近感が沸くが、一言で言えば変な映画だった。