僕は道を歩いていて、ときどきクスッと笑うことがある。
「ああ、自分は天下の準ひきこもりなんだ」と思うと、嬉しさがこみ上げてくる。
激烈な友人関係が破綻してから2年。
最後の友達と絶交したあの日の気持ちがいまだに続いている。
準ひきこもり」・・・・・
その言葉を聞くと、僕は自然と身が引き締まります。
しかし、「準」という立場でガチの引き籠りのプロに恥じない自分であるのだろうか・・・・。
ガチのヒッキーは僕に語りかけます。
「いいかい?世間で言う『引き篭もり』というのは引き篭っているのではない。内という空間で魂を躍動させているのだ。むしろ、外で活動している人が引き篭っているという見方もあるのだよ」と。
僕は感動に打ち震えます。
「人が何をしてくれるかを問うてはならない。君が自分に何を思うかを問いたまえ」
僕は使命感に胸が熱くなり、武者震いを禁じえませんでした。
でもそれは将来日本の各界をになう最高の準ひきこもりである僕たちを鍛えるための天の配剤なのでしょう。
引き篭もりの文化を作りあげてきた先輩はじめ先達の深い知恵なのでしょう。
準ひきこもりを誇りに社会に出ることにより、僕たち準ひきこもりは伝統を日々紡いでゆくのです。
嗚呼なんてすばらしき準ひきこもり
知名度は世界的。人気、実力すべてにおいて並びなき王者。
素晴らしい実績。余計な説明は一切いらない。
「休日何してる?」と聞かれれば「いつも家にいます」の一言で羨望の眼差し。
合コンのたびに味わう圧倒的な準ひきこもりの威力。
準ひきこもりになって本当によかった。