バイト卒業

最後、最後、最後…。
朝から僕の頭の中には「最後」という単語が羅列されていたのだ。
いつもの朝清掃。グリストラップ清掃やガラス磨き、モップがけ、テーブルクリーン。何十回、百回以上はやってきたことを今日も繰り返す。でも今日で最後なのだ。
やっぱり最後ってのは切ないね。何をするにも妙な違和感を感じる。
高校生バイトの太郎君(仮名)は「konrinzaiさん、今日で最後ですか、さびしいっす」。何てことをしきりに言ってきた。嬉しいなあ。ジーンとするなあ。
で、同じく高校生バイトの奈留美さんに今日初めて辞める旨を言ったらとても驚かれた。「えー、konrinzaiさん辞めるの!!嘘でしょう!もっと一緒に仕事したかった!」ってとても女の子って感じで驚いてくれた。そんな風に言われると涙が出そう。とても可愛いくて、そしていつも笑顔で接してくれて本当にありがとう。
で、ピークなんですが、これが最後の最後でやばかった。先週、テレビで放映したからなのか、激混み。やばいってレベルだ。午後二時を回っても席がほぼ全部埋まっているという大殺界。最後だってのにちょっとのミスも許されない混雑振りで、ちょっとミスをして店長にワーワー言われる有様。浜地は「konrinzaiさんのラスト祝いですよ」とか言ってたけど本当凄い混み方だった。動き回って餃子やら何やらを作ったり、チャーハンをあれしたりもう提供もしまくり。乳酸が3キロ走のとき並に溜まった。最後の最後に疲れさせてくれてありがとよ.
で、あがり時間を迎える。いやあ開放的な気分でした。長距離走を走り終えたほとばしりをも超えるってくらいのほとばしりを感じました。
太郎君と少し話をして激励をし合い、店長と握手して、最後は奈留美さんに礼を言って礼を言われて僕は店を後にした。皆の笑顔が僕は好きでした。就職活動頑張ります。
僕は何か特別なことがあったときにコーラを飲む。普段は飲まないようにしている。爽快感があるけどいつも飲むには体に悪い。だから何か特別なことがあったときだけ飲むようにしている。
帰りに自販機で500mlのコーラを買った僕は火照った体にコーラを染み込ませた。今日のコーラはとても甘酸っぱく、格別な味だった。