お気に入り

創作「牛」

目に見えぬ惨劇。そんなものに脅かされながら痴呆に澱んでいた。 偏頭痛に苦しまされながら、日付を塗りつぶしながら自責の念に囚われて生きている。 人間という生き物は嘘と欲に囚われながら死んでいくのだろうか。牛。マヌケな鳴き声とのそのそとした動き…

闇夜の年

コーラを飲んだが、あまり入っていかない。どうも食欲がない。神経を尖らせ続けていたからだろうか。 20年以上も生きていれば時季の雰囲気を嗅覚で察することができる。この年末、急速に場が終極に向かって煮詰まりつつある。 そして、年が明ければ呆けた老…

くだらん! 18-21

本当に下らん仕事だ。まあ仕事なんぞ大半が下らんものなのだが。 どっかに電話して、同じセリフをまるで童貞の呪いを強化する呪文のように永延と述べ続ける。声を普段出していない俺にとっては最初は新鮮であったが、三日目ともなると目の前のコンピュータ機…

バイト卒業

最後、最後、最後…。 朝から僕の頭の中には「最後」という単語が羅列されていたのだ。 いつもの朝清掃。グリストラップ清掃やガラス磨き、モップがけ、テーブルクリーン。何十回、百回以上はやってきたことを今日も繰り返す。でも今日で最後なのだ。 やっぱ…

この日

この日も相変わらず朝七時過ぎに家を出て鬱工場へ行った。発狂の波がやってきてしんどくて逃げ出しそうな状態が永延と続いた。午前中は仕事も指導も全く無い状態。俺は誰にも相手にされずに工場をさ迷っていた。この状況で狂わない奴は狂ってるという状態だ…