子供の頃、自分はブランコや手すりなどは絶対に壊れないものだと思っていました。山頂高くのロープウェイも絶対に壊れるものでなく、全くうろたえることなくそういったものを使用してました。自分が乗り物に乗ったらその乗り物は絶対に事故が起きない、自分は危ない事件に巻き込まれることは絶対にないと都合よくというか妄信的に信じていました。とにかく、世の中の物、仕組みというものは全て完全にできあがっているものと信じており、テレビのニュースなんかはどこか遠くのおとぎ話のような感覚で視聴しており、自分の周りだけは完全な世の中なのだろうと信じておりました。
やがて事故や事件といったものは誰にでも起こりえるのだと、自分にも当然のごとく起こりうるもので、そして自分自身も不完全な生き物であると悟りました。子供の頃のおめでたい妄信により、生きている上で何らかのトラブルに巻き込まれたときの精神ダメージはおそらく他人のそれよりも大きいものとなり、生きることに恐怖するようになりました。