梅雨を感じて

蒸し蒸しと作業中の軍手の中は不快感で蠢く。
雨は熱した路面を冷やし、湿気を空気中にさらす。自身の頭の中を、憂鬱をはじめとした熱したものを流しさって欲しいものだ。
六月の記憶。小学校のプール開きの塩素臭さが思い浮かぶ。見る見るうちに泳ぎが上達する周りをよそに全く上達しない自身への劣等感。あの意識が形を変えて今なお続いている。
劣等感を浄化させて生きたいならば、視野を広げる必要がある。よろめきながらくらくらと進め。
苦しみや辛さと言わずに難儀と表現するならば、生涯を賭けて難儀の塊を積み減らす作業をすることだ。全部を消せなくとも減らすことはできる。狂気に萎れて擦り切れる日がやがてやってこようとも難儀の塊を減らす。