お手本のない生活

一人でお好み焼きを作っていると、楽しい。レシピもあるし、真似する手本がいくらでもある。
仕事するのも真似をしなけりゃ右も左も分からない。
多くの若者がどこででも携帯電話を弄る。電車、喫茶店、道端。やっぱり自分も弄っている。何だか自分が他者の真似の塊なのは嫌だと思って、例えば電車で携帯電話をしまってみると何を考えればいいか分からなくなる。ぼんやりして何もすることがない状態。そこに虚しい考えが浮かぶと自分が見えなくなる。

電話回線の工事のおっさん、若い営業マン、理容店店員、すれ違う程度の関わりの人間と少し喋るのにも相手の思惑を考えてしまうストレス。あー疲れる。営業,販売系の仕事をすれば、本心と違う言動を擦り切れるくらい繰り返すんだと思う。
で、
お好み焼きを食べてアパートに佇んでいると郵便屋が来て、同い年のヒロ本さんから自分用にと色とりどりの夏用のシャツ7枚やバッグ、半ズボンが送られてきた。撫でる。布の感触だけで嬉しい。夏を生きて乗り切ろうと思った。
恩を受けるというのは有り難いことです。