非国民の休日外

殺そうと思っていた。
それは不吉な夢だった。最近はおめでたい夢を見ることがほとんど無くなった。
朝、ではなくて深夜、目が覚めると不吉な夢と現実の間のずれの無さに狂ってしまいそうになる。意識を“現実”という枠に戻す必要性が感じられない。現実世界でも不吉な夢に魘されていることに変わりは無い。
政権が交代しようが自分の暮らしは変わらない。まるで意味がないだろう。
世間は連日休日らしい。若者が多数、嬉々と自転車を漕いで遊び呆けた顔をしている。カップルが嬉々として食料を購入している。彼らの行動は常識的なのだろうか。
連日泥に塗れて気狂い扱いされて俺は何が楽しいのだろうか。
この時期、戦隊ショーなんてものが多数催されているようだ。幼少の頃、英雄に憧れていた。戦隊もののドラマだとかアニメなんていうものに刷り込まれ、洗脳されていた。だが今の現状、これは何だ?
英雄は最初から死んでいたんだろう。