若者という言われよう

最近の老人はパワフルである。いや、老人だからパワフルなのである。
そもそもこの世の中を何十年も生きている人間という時点でどれだけ狂人、いや、エネルギッシュなことであろうか。
私は二十代であるが二十年の長さをとてつもないものと思っている。それが倍の倍まで生きてようやく老人である。
こけた頬、しわがれた声。ラジオを聴きながら犬の散歩をゆっくりゆっくりしている。うなだれているわけでもさまよっているわけでもない。具合がよいのだろうか、いや、悪いのだろうか。考えてみたが、普通の老人を何かと意味づけることも苦しいものと感じた。
私は備蓄を頼りにした老人の細々とした暮らしをとりあえずは見捨てることにした。どうやら私は若者らしい。