週末ストリーム

 蒸し暑い、朝、移動中、アスファルトに横たわる小動物の轢死した屍骸、通り過ぎる。
 仕事、あまりやることがないんだ、だけど拘束はされる、ジレンマが増幅する。機械の点検、熱を帯びた電気コード上に小さな虫がじっとしている。機械の外に鼠のミイラ化した屍骸、これまたアスファルトの上。ほうきとちり取りを使い、近くの草むらに鼠を放る。
 帰社。青松氏。「konrinzai、ところで家帰っていつも一体何してんだ?誰かと遊んでんのか?」
お前は普段ちゃんと人間と交流しているのか、という疑問点が含まれているイントネーション。学生時代からあらゆる人間にこういったイントネーションで余暇の時間の使い方を聞かれているが(「学校終わったら何してんだ?」「夏休み何してたんだ?」)、この類の質問にいつもウンザリし、遊んでいる、遊び友達はいる、などと真面目な顔で嘘を付く。
 「へえぇ、そうなんだ」
 決まって納得したような、でもまだ何割かは疑っているようなそんな返答をされる。
 そして応答を終えると決まって沈んだ気分になる。本当は、友達はいない、一人で行動してますだろ!なぜ嘘を付く?自分の生き方に自信が持てないからだ。
 他部署の部長から糞不味いコーヒーを飲むことを強要される。自分には強要も教養も足りないのだろうか。
 帰り。途方も無く、たらたらだらだら帰路に着く。ホームセンターの駐車場に車を停め、呆然とする。ポテチや牛丼を食って満ちたりたふりをした今の生活に疑問符を投げかける。唖然とする。ちんけな物を食うだけで満足するな!ボーっとしてたらすぐに去年夏に経験したような入院生活が終わり無く訪れるぞ!それ以前に朝の小動物みたいにすぐ轢死するかもしれんぞ!惨めな鼠になるぞ!飛び越えろ!破壊しろ!どうすればいいんだ!