雑記

小売りのお店では小銭を受け皿に入れてくれるか、手渡ししてくるかよく分からない時代に突入しており、やむ無く「受け皿に置いて渡すパターン」、「手渡しパターン」の両方を想定して野球のショートのように機敏に反応できるように身構えをしながら買い物を終えようとしている晩夏の昼下がり。
こんなことで頭を巡らすわけだから、人間が知的労働をするような時代ではなく、人間が動物として生きていた時代に生まれていた方が幸せだったろうと妄想する。
餌を探して食って寝る、性交する、餌を探して食って寝る。獣は単純で幸福である。
今の時代は街ですれ違いにうっかり魔が差して雌の胸に触れてしまえば、逮捕され、抑留され、社会的地位を失う。獣なら魔が差すことは日常茶飯事であろうに。

獣とまでいかなくても世の中にコンプライアンスや真面目さが無くなったら、

「部長、おはようございます。仕事だるいです。もう帰りたいわ」
「だるそうな部下におはようというのもだるいわ!小僧!小銭稼ぎが駄々こねるな!」
「部長、仕事なんて物に付加価値付けて客に売り付けて金もろて給料もろてそれでしまいや。なにがおもろいねんこれ。一つの会社で働くって、片足の親指の毛を処理することに毎日一生懸命で、これで全身脱毛に貢献してますって自分を騙しとるようなもんや。所詮、小さいことを小さくやってるだけやんけ」
「親指の毛を処理することに誇りを持て!1つの企業だけで全身脱毛という目的は達成できなくとも親指を綺麗にすることはできる!だから誇りを持て!」
「いやだから親指の毛を処理しててもモチベーション保てへんやんけ」
「親指の毛の処理を真剣に分析してないからや!」
「真剣にってどないやねん。こんなもん定年までできっこないわ」
「そういって転職した奴は今は人差し指の脱毛しとる!」


書きながら笑いのセンスの欠片もないことに気付く。