確保

やっぱりテレビは見るものじゃない。
端正な顔をした芸能人、才能に満ち溢れたアスリートが隈なく登場し、美談ばかりが誇張され、くだらないことばかりが報道されて、自分の置かれた現実とは程遠いファンタジーの世界に基準を置いてしまい、とどのつまり洗脳されて下種野郎の思う壺…! 夢見心地な純粋恋愛の携帯小説など、実用書ばかりがここぞとばかりに並べられ、偽善者の生産に成功。そして数パーセントの人間に劣等感をとことんもたせる。まるで俺はなってなかった! 幼少の頃からテレビテレビテレビ、大失態だ。くだらないことに心を焼かれ育ってしまった。
テレビに出てる奴が偉いなんて思うことが実は大きな間違いで、上っ面だけで他者に心を寄せようとすることがそもそもの間違いだった。俺がこうして生きている力を軽視して、とにもかくにも表面上のイメージを先に考え込んで行動していた俺が迂闊だったのだ。