ちゅーぶら!!

[rakuten:book:12122096:detail]

ちゅーぶら!!
躍動感溢れる題である。
思春期下着を丹念に取り上げた、下着が主人公ともいえる漫画。それほどエゴイズムな妄想的描写がなく、現実と妄想を表裏した感じがない、精神衛生上も特に負担もなく、安心して読める漫画である。これはやはり下着の専門知識に疎い思春期の女子に見てもらいたい良作である。小学館発行の学年誌に載せてもよいかもしれないが、やはり題材が題材ゆえに未成熟な男子にとってはまだ刺激が強いかと思われる。
思春期真っ只中の中学生、葉山奈由が入学式で身に着けている下着に違和感を覚えるシーンから話は始まる。同級生との営み、「下着部」創設、などなどあらゆる葛藤と闘う思春期の少女が描かれている。幾人かが近畿方言を喋っていたり、男っぽい女子、大人っぽい女子がいたり、女子だらけの部活で奮闘する男子、肉体的成長過程の個人差を取り上げたりなどと実に少年文学的要素がふんだんに使われており、魅力的な作品だと思われる。

自分はいわゆる「萌え」を意識した漫画って今まで買って読むことはなかったが、題材が奥深い題材だけに購入せざるを得なかった(3冊=¥1,890)。物品を重点的に取り上げ、尊重した作品にはやはり安心感がある。特に女性用下着は崇高な安心感がもたらされるとでもいおうか、目にしたり、手にするとうっとりするほど優しい気持ちになるものである。そういった安心感というものが画によって十二分に生み出されているこの漫画にはとめどない愛情があるかと思われる。