タイフウ

「甘えとる、ガキや、お前らの言うこと聞いてると胸がムカムカしてここがオレの食堂じゃなかったらゲロゲロ吐きたいとこや、お前らは何もわかっとらん、お前らが生まれた頃は、地球全体にエアコンが付いとったんよ、寒さを知らんのや、お前なんか可愛がられたんやろが、施設でも里親にも、過保護なんやな、要するに、生まれた時チョロッと寒い風に当たったのよ、他の奴はそれも知らん、要するに生まれた時だけチョロッと寒かったんよお前は、でもそれ以来ずーっとエアコンや、回り全部が暖いからな、ちびっと寒い思いした言うていい気になって暖い中でビービービービー言うとるだけや、そんなんで人の心が打てると思うか、アホが」
ミスターD(「コインロッカー・ベイビーズ村上龍

 朝起きて、出勤までに思ったことは、ペルー辺りの民族的な人間、名前をヤルヒッヒとでもしとこうか、そいつが客人の手前、雨乞いの踊りを調子に乗って踊り狂って、狂いすぎてそれで地球の裏側の日本までもがこんな酷い天気になったのかな、と思ったらそんなヤルヒッヒが憎くてしょうがなくて、そんな妄想の渦中、会社に着いた。
 うーむ、今日は台風接近と云うことで無理をするなと云うお達しがあったので昨日よりも手を抜けた。ちょっとクレーンとやらのコツを掴んだ。一瞬、一瞬が学習の連続だ。
 台風は凄かった。電柱が揺れていたり、土砂崩れで隣県までの道が通行止め多数であったり、毎日うんざりする天気だなあ。
 ちょっとしたキッカケで全てがうまく回り始めることがある。それを目指して今を地道にやるしかない。