正夫の暇通告

バイト先の正夫。別の大学の三年で留年してタメであるが、三年分の単位は取ったから夏休みが開けたのに休学状態なくらい暇だということをカミングアウトしてきた。それで暇なときにどこかへ行こうという話しになった。俺も暇なのだが、開けっ広げに暇だということをカミングアウトするのは自虐に近いものがあるので自重した。正夫は普通に「家でずっと寝てる」とかいうけど俺にはそういう「家でずっと2ちゃんしてる」とカミングアウトする精神がない。なんつうか見栄を張ってしまう。まったくどうしようもない見栄だがどうしても張らざるを得ない。以前、自虐ネタに走ってしまうとその日寝るときにとてつもない鬱になることを高校時代に経験したのでもうカミングアウトするのは嫌なのだ。
俺のスカウターでは正夫にリア充オーラはさほど感じられないが、コミュニケーション豊富でいつも和気藹々としている感じがする。正夫曰く、いつも家でゴロゴロ派らしい。しかし、バイト中にたまに客としてきている学生らしき人間と喋っているから知り合いは多そうだ。俺の好きなネガティブすぎる会話ができる感じとは言いがたい。しかし、誘ってくれるのはありがたいことだ、としっかりとメール交換させてもらった。