私の職場(朝)

この生活を教えるには根気がいる。なんといったって業務時間外に業務について意識して説明していくというのは並大抵のことではない。いっそのこと職場に来てみればいい。それができないから書くわけだが。
私の職場は高速道路沿いにある。あらゆる部署が高速道路沿いにあるために運搬に便利である。
駐車場には車が停まっている。若い社員ほど玄関から遠くの位置に駐車するようになっている。建物は白壁がくすんでおり、隣にある整備施設は錆びたシャッターが閉じている。
黒いでかい車。あれは課長の車である。たるんだ皺の多い青年といった感じのあの男は早くも出社している。私は嫌々しくくすんだ白壁の建物に入り、箒を両手に掃除をすることになる。「おはようございます」とその日の対面する人間人間に声を掛ける。これも実に大変な作業である。私は声の設定に毎回毎回困惑している。挨拶一つでも引きこもっていればありえないイベントであることが身にしみる。
掃除を終え、何気なく席に座る。当然末席である。ジムさんから茶が運ばれ、とりとめてやることもないので全く無意味に資料を眺める作業に入る。いかにも何もやることがないというのは罪である。
朝礼で重要教訓を読み上げ、誰かがスピーチをし、その後、誰かが雑談をしたり電話したりしているのがなんとなく耳に聞こえてくる。朝は呆けている。いや、昼も夜もだ。