十月二十日。木曜日。

 快晴。朝礼スピーチの当番。二十人の前で喋るだけなのにやたら緊張して手が震える。中学時代は全校生徒八百人の前で選手宣誓をしたんだけどなあ。経験は環境であっさりと退く。自分が喋っている時、大衆が何を考えているかなんて考えちゃいけない。
 青松課長より「Aという場所の機械のドアが閉まっていた」とのこと。私の担当区域だが、通常開いているドアが閉まっていたとのことで、ドアを閉めた覚えなんてない。かといって閉めてない覚えも無い。普段はそんなミスはしないが、自分の性質上、無意識に何かをしていることが多いのでどちらともいえない。謝って繕うのも不誠実で厭なので、「はあそうですか」と応える。
 犬連れの嘱託の爺さんからちょっとした修理を頼まれ、午前中はT地域へ。自分の点検不備だということが分かった。いい加減だ。私はオポチュニストに成り下がっている。学生時代不勉強だった者はそうならざるを得ないのかも知れない。いや、いい訳だ、情けない。
 午後はK地域の見廻り。ドライブ気分。
 夕方帰社。退勤。帰りに偏食を直すためにスーパーマーケットに行く。サラダを購入。今の季節は鍋がいいのかもしれない。