七月の解放区

むしむしする梅雨時期は閉塞感が強いのか昔から通り魔など殺人事件が多いし太宰治が死んだ季節でろくなものではない。
逆に解放感のある季節はやはり梅雨明けかと思う。カッとした太陽が官能的なのである。


特になんてことはない記憶だが人生において解放的な気分になった頃を書いてみる。
2004年、短期大学1年の夏休み前のテスト日程を終えて解放感に浸りながらひたすら炎天下を一人で無目的に散歩したことを未だに思い出す。地元を離れてとりあえず進学して4ヶ月弱乗り切り、長い夏休みに入る直前の散歩。なんとも言えない高揚感があった。

もうひとつ2010年、胃潰瘍で入院している間に梅雨が明け、退院して一週間ぶりに外に出ると青空の下、カッとした炎天下、一人で病院から家に戻る道中、3キロほどだろうか、1時間弱の散歩に幸福を感じたことを思い出す。


次に解放的な気分になるのは、コロナ禍が完全に明けてマスクを外して意気揚々と散歩をする時かも知れない。