気狂い日記vol.6「宗教勧誘される」

昨日の夜、8月28日から9月2日にかけて某就職支援施設の同じ講座を受講した人間からメールがあった。その人間は20歳後半の男性で未だ定職に就いていない。(以後、その男性を「樽男」と記すことにする)。樽男のメールの内容はこうだった。
樽男「明日、講座があるんだけど一緒に来ない?」
講座が何なのか分からないし、どこでやるのかも不明だ。意味が分からない。しかし暇で友達もいない俺はメールを返信した。
俺「はい行きます」
おめおめと行くと返事をした。これが間違いだった。
すると
樽男「じゃあ明日の昼、konrinzai君の近所の駅まで迎えに行くね」
とメールが返ってきた。
今日の昼、凄まじい豪雨で駅まで行くだけで服もズボンもビショビシャ。体の芯から寒さにやられて震える始末。最低な気分だ。樽男が待ち合わせ時刻をクソ寒い中、四十分も遅れてやってきた。車に乗せてくれるとはいえ酷い。俺が悪女だったら問答無用で樽男の車に千円札の角で傷を付けようと目論むところだった。
車に乗って降りて、気がついたら狭い、変な部屋に入っていた。俺くらいの年齢の受講生が多くて、「はじめまして、俺は○○という。○○大学○年だ」とか十人くらいが勝手に俺めがけて自己紹介してきた。新入りが入ってきたからか、嬉しそうだったが、俺は全員殺したかった。目つきがおかしな奴が多かった。そのうち講義が始まった。狭い部屋で椅子もなく、地べたで正座して聞くスタイルだった。
講師(以後、「増尾」と記す)と俺の目の前に座ってていちいち声を掛けてくる受講生(以後、東野と記す)の目つきが特にヤバかった。何かを超越してる目をしていた。増尾は仏教がどうのこうの、生きる目的を知れだの、死ぬことはなぜダメか、お釈迦はこうおっしゃった、だの何だのうだうだうだうだと喋りまくってた。時折、増尾はジョークを言ってて、それに他の受講生が爆笑してた。増尾のジョークは俺には理解できないジョークで「車で事故って宙返りしたら、気持ちよかった」とか全く意味不明でニヤけるだとかクスクスすることも無理と思われることを言っていたのだが、他の受講者は爆笑必至。気が狂ってる。
講義が終了したら前に座ってた東野がマシンガンの如く、1時間近くも宗教話をしてきやがった。「死んだらどこに行くか明日以降、ゆっくり教えてやるよ」「生きてて疑問はあるだろう?疑問は全てここの講義で解決するから明日も講義に来てくれないか」「この講義で幸せになった人はいっぱいいる」とか「今日、ここに君がいるのは縁だ」、「このチャンスを逃したらもったいない」、「明日もきてくれるよな」、とか言って去ってった。行きたいわけが無い。大体、部屋を見渡す限り、女にモテなさそうな男ばっかで明らかに部屋中が童貞、または素人童貞の臭いがしており、何を言われても説得力を感じなかった。それに、明日は鬱工場に行く前の最後の休みだ。ダラダラしていたい。
樽男が飯をおごってくれるというので部屋を後にして、中華飯店で樽男と飯を食った。
樽男「この宗教は俺にとって凄く役に立った。怪しくは無い。俺も最初は妖しいと思ってたが講義に参加したら違った。最高だ、これを逃すないで欲しい」とか最初、車で行くときには宗教関連の話を一言も話してなかったのに樽男もここにきてマシンガンの如く宗教話をしてきた。宗教勧誘であることを隠して呼び出しやがった樽男の野郎、許さねえ!!!冷静に考えると何も考えずにおめおめと樽男の車の中に乗り込んだ俺も馬鹿げてるが、そんなことは実際、どうでもよくて、樽男が宗教勧誘を勝手にしやがった事実にムシャクシャしてしょうがなかった。中華飯店では樽男の奴、宗教の本を取り出して急に本を音読しだしたり、とにかく来てくれと懇願してきたが、俺は弱小球団のスカウトマンにスカウトされる有望野球選手の如く、「あー、そうですか、あー、そうですか」と適当に相槌をいれて、中華飯店に着いてから2時間くらい宗教話をされてから「じゃあ、明日までに来るかどうかをメールしてくれ」といわれてやっと開放された。飯をご馳走になって良かったけど宗教の話のせいで飯が非常にまずかった。疲れた。なんというかオール気狂いだ。