変脳ノート

就職活動を事実上終わらせた自分は暇を持て余し、危ないことを考えては危ないことを考えないようにしていたのですが、法律の範囲内なら何やってもいいという思考にいたってしまったのです。
(以下、性的な表現や記述が含まれます)
自分は下穿き売りの女に嵌ってしまったのです。無店舗型性風俗特殊営業に二回行きましたが、射精することはありませんでした。いや、二回目のときに射精したのですが、あれは自慰ですので、事実上の射精は無といっても過言ではありません。無店舗型性風俗特殊営業という営業を利用することにより、初めて他人の女性の胸や尻、唇、腹、性器をまじまじと凝視し、触れ合うことができたのは革命的だったのですが、快感という点においては自慰の半分程度の快感でさほど感じることはできませんでした。行為中に女の体に飽き、意気消沈し、洋風の連れ込み宿の壁を凝視するという虚しさを覚えていたほどです。
そんな自分が酷く愚かしく、それは実に愚かしく、通常の性交の動作で刺激を受けないがために逃避するためなのか、単なる方向転換なのか、とにもかくにも自分は女の下穿きに興奮するという実しやかに滑稽な性癖にひた走りました。この現状は、どうにも自分という人間が迷いの森を迷うのに飽きて土を掘りだしているようなどうしようもない無味夢想な色が付いているかと思われます。
一回目の購入。この日記にも書いたとおり、隣県の馴れぬ場所で女と待ち合わせをしました。待ち合わせをする前からただもうおそろしく、移動中の電車の中でも下をずっと見ていて、不具者が車内にいてもどうでもよく、とかく他人に目を見られぬように壁を凝視したりしていました。指定された車に行くと、金髪の色白な小柄な女がズッチャカズッチャカと浜崎某の曲を音響させており、本当にこの女のだろうか、と不安になりつつも自分は助手席をパッカーと開け、「入っていいっすか?」と問いを唱え、そうすると女に首肯されたので座席に座りました。この時点で下穿きなどどうでもよく、ただ単に人との待ち合わせに成功したことに、ただ自分ははにかむような微笑ばかりしていました。しかし、その表情は他から見たらただの変態であることに気づき、急いで表情を無にするように努めました。自分が女の手元に8K(この当時、隠語でkを1,000とし、8Kは8,000円の意です)を渡した瞬間、女は密かに笑みを浮かべ、金をしまうのでした。数秒後、女が「ここで脱いでいいですか?」と述べるので自分は首肯しました。すると女は運転席で自ら下穿きを腰から足元に下ろし、自分の手元に預けてきました。自分はその瞬間、「(百聞は一見にしかずだなあ)」とまぬけともいうべき賢い気持ちを持っていました。下穿きを入手し、車から出たときは妙に解放されたような軽さを感じました。
それから自分は駅のトイレで四の五の言わずに臭覚を圧倒的活用させ、下穿きの匂いを吸い込んでは吸い込み、トイレを出て、電車に乗っても自分はバッグの中に女の下穿きを入れているんだという隠微な優越感を感じていました。自分は何かに目覚めたという気持ちはありません。この一連のことはただ単に自分の性癖を確認しただけといった感じです。
学校。学校はつまらない模様です。週に二コマだけ、それも火曜日だけなので自分はとても張り合いが感じられず、そして勉学意欲がなく、どうしようもない状況です。自分は与太者です。去年とメンバーが同じゼミナールでは相変わらず完全に遊離してしまって、戸惑っているばかりです。去年の飲み会で道化をしたときの元気が自分にはありません。自分はもう道化をする悲惨さに気づいてしまったようです。本質的なものは道化で変えられることはありません。