憂鬱・F・憂男

指を折る必要もなくなった。入社するのは二日後のことである。
どれほどノロマでも気構えを取らざるを得ない時期である。
この時期を多くの者が通ってきたわけで、ありがちな時期だということは認識している。
それでも憂鬱にならざるを得ない。そりゃ生きてる人間だ。思い上がるのはいつだって生きている人間だ。ここまでたどり着けなかった人間を思い、偲び生きてみようかと思っては見たものの、結局どういうわけか、こうありがちな憂鬱状態になっているわけで。嘲笑されてもしかたがない