NOMIKAIその4

そのうちサラダとか肉が運ばれてくる。呑んだり食べたりしながら皆といろんな話をせざる得なくなる。いつ誰にどんな質問をされるか予測できない状態。内向的人間の俺にとっては鬼々迫る思いが募った。
亀吉(俺の一歳年下)が「今日は何してたのですか?」と聞いてきた。「建物の中にいた」と俺は答えた。亀吉はその後も俺の日常についてを再三質問してきたがいちいち馬鹿正直に答えることなく適当に受け答えした。ちなみに俺の方から亀吉に声を掛けることは無かった。
マウンターは終始、人生とは何かということをずっと俺に説いてきた。そのうち、「お前は就職できん!」とかいってビンタしてきた。マウンターは酔っぱらってた。外食産業ということもあり、社員の年末は激務だから今のうちに酔っぱらわないといけないんだ、と思い俺は少し鬱になった。
K社員は高学歴だが非常に控え目に呑んでいた。
Pさん(二十代子持)とは席が離れており、会話は殆んどできなかった。私服の状態のPさんはとてもプリティであり、やはり子持主婦ということで庶民的な服装だったが十分魅力的だった。
俺は人間と会話をしないときは食べるか呑むかに徹し、それもしんどくなったら皿や箸をボーッとしながら凝視していた。そんなことをしていると「吐きそうじゃない?」と突っ込まれた。