いつもの

晩秋の夜ってのは虚しさを超越した何かを感じる。
虚しいのはいつものことだ。家では夕食がいつの間にか片付けられているし、金を貸す羽目になるし。親のすねかじり虫だから仕方のないことだが。
もうね、俺って孤独に我慢できてしまえている哀しい人間なんだと思う。普通の人なら発狂ものだぜこんな対話のない生活。まあ普通の人は発狂する前にさっさと友達なり何なり作っちゃうんだろう。
もう俺きついよ。最近ね、孤独に耐えられない体質になってきてる気がする。ゲームも読書もテレビも以前よりのめりこめなくなっているし、勉強はもう駄目ね。人と接したい願望が強い。バイトで人並みに接客なりバイト仲間と他愛の無い話をした経験が余計に人恋しさに拍車を掛けているんだなって思う。
携帯電話は鳴らない、メールも来ない。晩秋の夜の重苦しさが俺の心に圧し掛かる。とてもとても苦しい。この苦しさは自分を変えなければいけないという信号なのかもしれない。しかし、この俺に今更どうしろというのだろうか。小中高大と連絡を取り合う仲の人間がいないし。俺ほど孤独な奴はやはり異常なのだろう。ただ常人とは紙一重だと思う。どっかでちょっとしたミスをして今の状況があるのだと思う。