郵便抑留

なんていうか、鬱工場やラーメン店のピーク時間などとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。


日中の最高気温は2℃ほどで雪が舞っており、確かに俺は郵便事業会社支店周辺で突っ立っていた。年賀状を手渡ししてくる自動車の所作の目的、いわば人間ポストだ。朝から外は哀しげな寒さだった。ダウンジャケット、帽子、軍手とホッカイロでどうにか寒さを凌ごうとするが、寒気は体を覆う。使い古しの肩掛け仕様の郵便カバンに手渡される状を詰め込んでいくのだが、重くなってくると肩が痛んでくる。ついには雪で視界不良になり、意識が遠のいていくと、たまに車がやってくるという感じだ。
老人が「ご苦労さん」と声を掛け、女児が年賀状を歩いて持ってきたりしたおかげで気力をなんとか保つことができた。
しかしながら寒い上に大して体を動かせないので肉体的には厳しい状況だった。屈伸などをするなどとした。社員から頻繁に休憩をしてもよいという通達を受け取ったのだが、俺以外の人間は微動だに動こうとしない。確かにバイトがバイトなだけに内向的な人間が多いにしてもこれはおかしぃんじゃねえか?と思い、俺は労働者として休憩を求めるのは至極当然の行為として休憩を仕切ることにした。
「A氏、休憩どうぞ」
「B氏、休憩へどうぞ」
面倒だが仕切る。くそっ!それにしても大人しい女子がこの悪条件のバイトにいてその、なんていうか、あの子、返事をあんまりしないけど内向的な感じでどうも、いとしい。どうかしそうだ。
定食は500円の豚の磯辺揚げを中心としたものでした。美味でした。
寒い中、気がおかしくなりそうでした。明日は若干の温度上昇です。