入社説明会

死のうと思っていた。うそだ。


朝、路線バスに揺られてバス停に着いてから陰鬱と歩き出した。会社に到着してしまった。受付へ行って挨拶。室で待機せられ、男二人がやってきた。男二人は自分と同じ暴君大学(仮名)卒業らしい。全く見たこともない癖毛の二人なのでどうでもいい偶然といったところか。
そのうち面接のときリーゼントだった人間が遅刻してやってきた。自分を含めた四人がどうやら新卒者らしい。色気はない、業種が業種だけに男だけ。4月からの予定を懇々と述べる社員。ツナギを支給される。いつか隠されるかもしれないツナギを支給された。やはり、どうやら自分は就職するらしい。
そして地域ブロックの営業所のどさ回りが始まった。社員の車で地域を横断。適当に挨拶。働く現場はやはり色気がない。別に色気がなくていいのだが、地道な作業が自分にできるだろうかという不安は引っ切り無しに高まる。やはり、多分うまくはできないと思う。
移動がてら昼食をPAで昼食をとる事になった。社員と新卒者がほぼ無言で飯を食う。なんとも時間がのろのろと進む中、意識が朦朧とした感じで昼食を取り終えた。どさ回り。嫌な胸騒ぎがする。
ひどい精神が発揮し、だんだんとこの業種は向いてないような気がしてしまっている自分が確かにいた。事実、向いていないだろう。でもまあやるけどね。
底なしだ。辞めたら、逃げたら、臆したら、底なしに自分に自信を失う。再起不能になる。今まで鬱工場やバイトなどで散々、バックレてきたが今回の辞職は相当大きなものを失ってしまいかねない。やっとのとこで手に入れた新卒切符が枯葉に変わり果ててしまう。感情を一変でもさせれば不安が姦しくなる。やっとのことだ。やっとのことで働くつもりだ。