歩く恥部

もはや歩くしかなくなった。

仕事、転職活動、町会の班長活動、町会の体育会活動、全てに厭気が差した。

 

就業時間内にネットカフェに行ったとて金が掛かり、精神衛生上にもよろしくない。爆食いは健康によくない。読書も資格勉強もする気力がない。

 

そこでかつて趣味のマラソン練習をしていた頃の拠点であった公園に社用車で訪れ(当然、マグネットで社名は隠した)歩くことにした。

天候が悪いのはかえって都合がよい。駐車場が空いてるし、人もまばらだ。

ジャンパーを羽織り、公園駐車場から河川敷の方へ傘を差しながら歩き出した。

歩く。

あらゆる問題を解決させようと煩悩に抵抗するから疲れるのだ。だったら抵抗を止めて翻弄された方がよい。

疲れたら寝る、悩んだら歩く。それでいいのかもしれない。

 

結句、10キロ歩いた。