背戸

昼時、どこかで外食でもしようと牛丼店を素通りし、ラーメン店を素通りし、カレー店を素通りする。各々の飽和しかけた駐車場を見ただけで、ぎゅうぎゅう詰めのカウンター席の不快なイメージが浮かび、回避し続け、結局コンビニに駐車した。店の前では昼間から若者がたむろしていた。
この時期、大学生は春休みの連中が多く、高校三年は受験期などで学校にほとんど行かないといった状況らしく、なまくらな若者を平日の昼間から街で見かけるようになった。外に出る連中がいるということは中に篭ってしこしこと作業をしている若者も多いということである。私もこれらのなまくらな経験をしているからこそ、このエアポケットのような時期の重要さを懇々と説いて行きたい気分が浮かびつつあるが、いや、しかし、そんなことはどうでもよく、コンビニでそそくさとなまくらなパンを買うことに夢中であった。お茶も買おうと思い、横浜銀蝿の替え歌の新垣結衣だか新垣里沙だか生島ヒロシだか忘れたが、どうも無機質そうに歌うあの十六茶だか十八茶だか加藤茶だか忘れたが、あのお茶のCMは不快なのでこのお茶だけはよそうと思い、結局、からだ巡茶なんぞを購入した。粉塵に汚れた車内でペットボトルの封を切り、口に含むと香ばしくなりつつも、すぐさまむせ返ってしまい、どういうわけか食欲が湧かなかった。晴天だというのにカーナビも余り調子がよくなく、次の目的地も自分の信念もどうでもよい感じになったところで午後は下っていった。