休日はニートのように

 私は真似するお手本が無ければ、何もできないほどに脆弱な人間だと思う。文章だってそうだ。誰かの文章を少しずつ少しずつ真似て、そうして書いているものだから、本当の自分が分からなくなる。
 焼き飯を食べていると、またふとある殺人事件のことを思い出す。苦しくなる。何とかならないか。でも例えば殺人事件の被害者がOLでなく、乞食であったらどうだろう。OLの不幸に激怒する自分はいたとしても、乞食の不幸に激怒する自分はそうはいない。女は想えど、乞食を想うことは無意識に回避する始末が悪い人間だと思う。下品な人間ですか、男は特にそうでしょうね。
 蝉が弱雨の中、少し鳴いている。いっそ強雨になればいいというのに。
 来月に向けて今日は「代理人」について勉強中。やはり勉強しかないようだ。休日に話せる友人もいないものだから指針っていうものを見失ってばかりだけれども勉強は大切だとさっき気づいた。中学二年の社会科の教師が初回の授業で「一生勉強」だの黒板に書いて述べたことを思い出す。
 地元の伝統に就いての教養もないけども都会のアイドルに詳しいそんな人間が地方に増えている。この地方は陰湿だ、と飛び出した高校時代のH君を見返すために地方暮らしなりの生き方も画策しないといけないと思う。