「2014年、夏の予定」

 何かを遣り始めても、その途中できまって自分はぼんやりしてしまうのである。気がついてやりかけの事に手は帰っても、一度ぼんやりしたところを覗いて来た自分の気持ちは、もうそれに対して妙に空ぞらしくなってしまっているのだった。転職、婚活、趣味、奇行、人生観。二八歳、何もかも中途半端中途半端が続くようになって来た。そうして自分の生活に中途半端が並べられてしまい、朝起きて爽やかな日はなく、沈殿した沼の中に彷徨う感覚がずっと続いている。
 何をする気にもならない自分には夏の予定など考える心境もないのである。一言で言えば億劫というか。自分の生活はまるで気力の抜けた平衡を失したもので、忘れ事も増え、ショッピングセンターの駐車場に車を停めて、戻ってくるとどこに停めたか分からないことが多くなった。例えば芸能人が近くで飯を喰っていても私は感動しないだろうし、例え美人モデルがベッドで手招きしてきても今の私は何も欲情しないだろう。
 自分は自分の経験している世界を怪しいと感じる癖が強くなってきたようである。