トラックステーションのラーメン

就職して14年、大型連休などない職種であり、今日も仕事である。

社用車が周りに見当たらない祝日の道路は混雑し、トイレ休憩もままならない。

大衆は、生まれる日も死ぬ日もばらばらなのになぜ同じ日に休みたがり、渋滞を作りたがり、喧騒を作りたがるのであろうか。

こうした状況下における私にとっての楽園はトラックステーションのラーメン店である。トラック乗りではないが、ブルーカラーとしては居心地が良い雰囲気である。

食券を買うと自動的に厨房に注文が入り、セルフサービスでコップに水を注ぐ。家族連れなどのいないブルーカラーの男だらけの客層の界隈でしばらく待つと、食券番号を呼ばれ、にんにくとたまごの味噌ラーメンと焼肉丼を取りに行く。セルフで調味料を掛けて、席に座る。

備え付けられたテレビの音とおじさんたちのラーメンを啜る音をBGMに、ひたすらに食べることに集中する。

旨い。

それしかないのである。

 

私にとっては行列店よりもお洒落な店よりもトラックステーションのラーメンが一番のグルメである。

トラックドライバーという単一の客層がラーメンを啜るという劇的に単純化された雰囲気がたまらなく心地よいのである。