心の隙間

来週以降のスケジュールがスカスカ。よって補充の意をこめて豪雪に出向く。
行きのバス。
女子高生が至近距離で立っている…!
極上の脚…!極上の制服…!
悩ましい…!悩ましすぎる。頭をもたげてくるのは性欲の発散…!
快楽の行使……!
そうっ…!行使だ 行使っ……!
もう…なんでもいいから…
女子高生の股間に………
ダイブしたいっ…!
この極上の女体にっ…!
崩れ落ちたいっ……!
身をゆだねたいっ……!
破滅にっ………!


やばっ…!バスは危ないっ…!
何が起こるかわからん…!
もう少しで…
悪魔に魅入られ…
色情脳…!
人の道から
はずれた事を…!
こんなとこで性欲を発散しては悲惨の一途…!
社会的制裁に呑み込まれ人間としての人生は閉じる…!
合法的な性欲の発散をしなければ……
両手を祈るように合致させ、エロハンドを食い止めた…


俺は生まれながら心中に性欲という名の怪物を飼っている
思春期になるまでは心の深部
奥の奥 最奥の部屋に鍵を掛け閉じ込め
閉じ込めることによって忘れていた…
しかし…
12,13歳頃からその部屋の内側から怪物がけたたましく叩く
ノックの音がピシピシ聞こえてくる
いつも…いつも…いつも…オートロックという名のオナニーをして難を凌いでいた
しかし…
その敵はあまりに強敵…
難攻不落
不死身の怪物なので…………
俺は見てみぬフリ
聞こえて聞こえぬフリをし続ける
その鬼が………
もうすぐ俺を襲う……!
怪物を閉じ込めていた頑丈なオートロックも今や風前の灯火
魔物の怪力によって
こじ開けられるのは時間の問題…
怪物に心中を侵入されれば夢や希望、目標や計画、協力や親切、愛情
そんな真っ当な精神を食い尽くし
俺を痴漢、強姦魔、露出狂……………
野生児に成り下げ、新聞に名前が晒され、親戚までにも不評が根付き、あとは地獄の一語…!
ここで登場するのが欲情業者だ…。
欲情業者は怪物退治のための必須アイテム。オナニーがオートロックとすれば欲情業者はマシンガン…!
ドアを蹴破られて手ぶらじゃジ・エンド
必死…!もう今の俺は必死に怪物が部屋に侵入しないように祈っている状態


今日はひたすら虚脱した状態だった。ラブホテルの入り方・欲情業者の頼み方など一切合切知らない状態。明日の決戦を考えると体中が虚脱に苛まれている。
どうしようもない状態。しかしながら逃げても何の楽しみもない。逃げ続ければ孤独なこんな俺のことだ、性犯罪者になるのも時間の問題。行くしかない。なんとかなる。だが恐ろしい。


そんなこんなでようやく豪雪の話。
今日の豪雪はろくな企業が集っていない。
揃いも揃ってダメ企業、クズでございってとこばっかだ。
一生こき使われて終わりって企業ばかり。
オレもだ。オレも同様。
気が付きゃあ無資格Fランク大学生で無能丸出し。
ピンハネしまくりの中小企業しか集わないこんな説明会に参加せざるを得ない状況…
間抜けもいいとこだぜ。本来ならこの時期は欲情している場合じゃない。
こんな無能者にも毎月5万ずつ奨学金が振り込まれてくる。当然、返済義務はあるが、俺に金をよこして、もっと上のランクの大学の連中に振り込まれない奴がいるなんてのはつくづく間抜けな話だと思うよ…!こつこつバイトなんてしてさ。
俺は今、奨学金を欲情業者に使おうとしている。とても正気の沙汰とは思えんだろう。だが、この金の使い方が結局は合法。
説明会は十社くらいの企業を話半分に聞き、貰った資料は駅のごみ箱に。まったく入りたい企業がない。今日は意味のない、評価のない一日…。ボォーっと突っ立っていたときの疲れが溜まっただけ。また頭痛が。体が悲鳴を上げている。