コンビニ弁当を温めてもらっているとき

世間では学生が夏休みに入り、蝉の声と共に街中に弛緩した空気が舞い込み始めている。
コンビニには小中学生が昼間にも現れるようになり、マウンテンバイクを無目的に乗り回しておやつでも買いに来たような風体の小学生、体操服で部活帰りに飲み物を集団で買いに来たような中学生、そんな学生らが街の空気を弛緩させ、汗臭いガテン系や暑苦しいサラリーマンだらけのシャバの様子とはまた違った様相を呈している。
などということをコンビニ弁当を温めてもらっている時間に考えていた。

安倍氏の事件から二週間が経つと必然的に風化は進み、羽生結弦は競技者を退いて「羽生結弦さん」とメディアで報じられるようになった。TKOの木下じゃないほうがやらかしたそうだが、まだ容疑者とはなっていない。
何をしていようが何を考えていようが、一切は過ぎて行く。
同級生が学童野球や少年サッカーに打ち込む傍らで、パワプロエキサイトステージというスーファミを満喫していた小学生の夏休みを思い出す。夏休みの夜、人生に終わりがあることに絶望していた。この世からいなくなるとはどういうことなのか。消えていなくなるとは、考えても考えてもゾッとするだけだった。そのうちしんどいことが増えて大人になると、人間が誰しも必ず最後に死ぬことはありがたいことだと思うようになった。